<結成までのエピソード>
平成14年5月のある日、naoは、いつものように通学途中、渋谷で乗りかえるためにホームを降りる。地下道をいつものように歩いていると、その時遠くから聞こえてきた限りなく透明に近いきれいな声に、足を止めずにはいられなかった。
近づいてみると、1人の女の子が、小さなラジカセにマイクを差し込み、恥ずかしげに歌を歌っていた。
周りには2人の酔っ払いと浮浪者風の男、それと遠巻きに見ているサラリーマン・・・。
彼女は、そんな中、ようやく1曲歌い上げると、3人しかいない観衆に向かい、ぺこりと頭を下げて荷物をまとめ始めた。
これが、この後に奇跡を起こすnaoとaiの出会いであった。
<2人の出会いは偶然からはじまった・・・>
naoは振り返る。「本当に天使の声だと思った」「すごく衝撃的だった」と。
naoは今、現役の大学生。ただ、彼にはとてつもない才能が詰まっていた。「絶対音感」そして、書きためている500曲を越える「作品」、さらに数々のコンクールでのグランプリ受賞。音楽業界では知る人ぞ知る才能あふれる作曲家の卵であり、多くの有名アーティストが、まだ学生である彼に作品づくりを依頼していた。
しかし、彼は自分の意志を貫き通した。「世に出す最初の曲は、自分が納得のいくアーティストの楽曲で。」
そして、彼は自分が納得のいくアーティストを探し続けた。
才能が認められてから3年もの月日が流れていた。
<路上はaiが踏み出した最初の勇気・・・>
aiはアーティストを目指していた。naoと同じく自分で作っていた楽曲は500曲を越えていた。
天性の音楽センスを授かっていたものの、aiは自分が何をしたらいいのか、どうすればアーティストになれるのか、答えがみつからないまま時だけが過ぎて行った。
そんなとき考えついたのが路上ライブ。
勇気を出して渋谷の地下街に立つことを決意し実践してみるが、そこを行き交う人々は全くの無反応であった。
1曲を歌い終えると、恥ずかしさと怖さに押しつぶされそうになり、aiは大急ぎで荷物をまとめ始めたのであった。そんな状況を見つめていたのがnaoであり、そこでnaoがaiに声をかけたのだ。
これが奇跡の始まりであった。
2人の天才が、この場から新たなスタートを切ったのである。
戻る