「MUSIC PRESS 2004.4-5月号」

★絶対に歌手になって帰ってくるから!
 MUSIC PRESS 2004.4-5月号で、あいちゃんの記事が掲載されています。
 内容は、あいちゃんのヒストリーについて、そしてこれからのことなどが書かれています。
 白黒で、2ページに渡って、特集されています。

 インタビュアー:三沢千晶

 (三沢) あいちゃんは、この3月で高校を卒業するんですよね?
      学校ので生活もそうだけど、やっぱりアーティストとしていろいろなことを経験したと思うんだけど、路上ライブ、渋谷公会堂での
      ワンマンライブ、I WiSHのaiであることの告白、などなど、いろいろな節目でもあったんじゃないかな?

 (あい) そうですね。何かを達成したという感じはあります。

 (三沢) で、そんな達成感にいたるまで、あいちゃんが歩んできた足跡を伺いたいんですけど、
      まず、川嶋あいのヒストリーによると、5歳で渥美二郎さん、鳥羽一郎さんの前座で歌っていたと記されていますが、ってことは、
      5歳でかなりの実力があったということですよね?


 (あい) 3歳からカラオケ教室みたいなところで歌を習い始めたんですよ。
      演歌の教室だったので、ちっちゃい子は私くらいしかいなくて、あとは、お年寄りの方ばかりっていう(笑)
      4歳で、その教室の発表会に出たのが初舞台で、5歳くらいから演歌の方の前座で歌うようになったんですよ。
      でもあのときは、恥ずかしくて歌っていなかったような気がする(笑)

 (三沢) 3歳のときに、自分から進んで歌をやりたいと言い出したの?

 (あい) いや、そのころの私はすごく泣き虫で、人見知りの激しい女の子だったのですよ。
      それを、お母さんが、歌でなんとか改善できないかと思ったらしくて、それで通い始めたんですけど、最初は泣いてレッスンに
      ならなかったらしいですよ。
      でも、だんだんと楽しくなってきて、人前で歌えるようになりましたしね。
      歌でどんどん心が開けていったし、いつの間にか歌うことが日常生活の一部になっていました。
      そして、いつの間にか、おおきなきっかけがあったわけでもなく、自然と私は歌手になるんだと思ってましたね。

 (三沢) そのころの18番は?

 (あい) カーネギーホールで歌った中村美津子さんの「河内男節」っていう(笑)
      10歳のときですね。カーネギーホールで歌った最年少だったらしいです。
 
 (三沢) 歌を作り始めたのはいつくらいからですか?

 (あい) 小学校6年生まではずっと演歌だったので、中2で尾崎豊さんを好きになってからですね。
      自分で曲を作って歌っているのがすごいなと思って、自分も作ってみたいなと思いました。


 (三沢) 上京は以前から決めてたの?

 (あい) 中学に入学するときから決めていました。
      お母さんに、「あんたは中学卒業したら東京に行くのよ」って言われてたんですよ。
      それで、「そっか」って(笑)

 (三沢) 家族や友達に期待され、カラオケ教室のみんなに期待されて出てきたんだ。

 (あい) もうすごかったですよ。私が上京するときに、教室の方が何百人も集まってくれて、お別れ会をしてくださって。
      でも、上京してからは、最初にいた事務所をクビみたいな形になっちゃって、これからどうしたらいいんだろうって
      毎日毎日悩んで、泣いて。。。


 (三沢) 誰にも相談できなかったの?

 (あい) お母さんにはなんでも話せる仲なんですけど、それだけは言えなかったですね。
      心配させたくなかったし、言ったら、「帰っておいで」っと言われちゃうかもしれないし、でも、ここまで来たからには
      帰るわけにはいかなかったんです。

 (三沢) それって、すごく強い意志だよね。

 (あい) やっぱり地元で応援してくれてる人たちもいましたし、絶対に歌手にならなきゃって思ってました。

 (三沢) それで、路上にでるわけだけど、何かきっかけはあったのですか?

 (あい) あるとき、渋谷を歩いていたら、ストリートミュージシャンが歌っていたんですよ。
      こんなとこで?すごいな〜と思って、そこで、初めて路上ライブを知ったんです。
      こういう表現があるんだったら、私もやってみようと思って。

 (三沢) で、一人で突然路上に??かなり勇気いるよね?

 (あい) はい。四谷の駅前でラジカセとマイクを持って。
      怖かったです。足もがくがくして声も震えながら歌って。。。
      今まで出した勇気の中で一番大きな勇気でした。
      誰も立ち止まってくれなかったけど、一歩踏み出せたなと思いましたね。

 (三沢) それから場所を渋谷に変えたのは?

 (あい) 四谷は人も少なかったので、4回目くらいで人の多い渋谷に行ってみようと。
      そこで、何人か立ち止まってくれた中に今の学生スタッフのみんながいたんですよ。
      で、ライブが終わったときに「何か手伝いたい」って言ってくれて、最初は怪しかったんですけど(笑)
      それから、何度か来てくれて話しているうちに、一緒に活動しようかなと思い始めて。。。

 (三沢) そこからストリートの日々なんだ。
      そのときにはもう、自分の中で目標はあったんでしょう?


 (あい) はい。路上ライブ1000回やろうと。

 (三沢) 100回ならまだわかるけど、1000回ってすごくない?

 (あい) 漠然とおもいついたんですけど、100回だったらきっと誰でもできるんじゃないかと思ったんですよ。
      それで、1000回やってだめだったら、歌手を諦めようと思って。

 (三沢) 1日1回と考えても3年弱かかるよね。
      それにしても、そこまで高いところに目標を置くって、ストイックというか自虐的というか。。。
      もともとそういう性格なんですか?


 (あい) いや〜計画を立てるのは好きなんですけど、こんな具体的な高い目標を立てたのは、これが初めてですね。
      その後、渋公前でライブをやったときに、1年後に絶対に渋谷公会堂で歌う!って目標を立てました。

 (三沢) 頑張ってくれたエネルギーって何でしょうね?

 (あい) やっぱり路上のライブで応援してくれている皆さんがいたおかげですね。
      ここで、私が挫折したら裏切ることになっちゃうし、自分が決めたことだから、最後までやらないと!と思ったんです。

 (三沢) 1000回ライブは続行中だけど、渋公は達成しましたね。

 (あい) 渋公も大変だったんですよ。
      直接渋公の所長さんに電話をして、「ライブをやりたいんですけど」って。
      それで、週1回渋公に通うようになって「何とかお願いします」って。
      最初はぜんぜんだめだったんですけど、一回路上を見に来てくださったんですよ。
      それから、応援してくれるようになって、前向きに考えてくださるようになりました。

 (三沢) 所長さんも、直接自分に頼まれるとは思っていなかったでしょうね。

 (あい) 当たって砕けろですよ。それで、何ヵ月後かにやっと、OKをもらいました。

 (三沢) すごいな〜で、感想は?

 (あい) これまでのライブの中で1番忘れられないステージになりました。
      路上で応援してくれていたみなさんも来てくれましたし、辛いこともあったし、警察から怒られたこともあったし、
      冬はほんとに寒くて死にそうだったし、夢に向かってゆくことの厳しさを教えられた1年間を思い出しましたね。
      だから、今、強くなって渋公に立っていられるんだなぁって思うとあふれる感動がありました。
      泣きそうになったけど、最後まで耐えていました。
      応援してくれてたお母さんのためにも、絶対に歌手になる!って気持ちが原点にずっとあったから、頑張れたんだと思います。

 (三沢) それで、あいちゃんは、この3月で高校を卒業するんですけど、今回のシングル「12個の季節〜4度目の春」は、やはり
      卒業に大きな思い入れがあったからだよね?

 (あい) これは、去年の5月くらいに書いたんですよ。
      来年はもう卒業だなって思って、記念として作りました。

 (三沢) 自分の卒業記念なんだ。あいちゃん自身の物語も重ね合わせてるの?

 (あい) そうですね。小学校6年生のときの初恋の気持ちを織り交ぜながら。
      メインにしたのは中学校のときの思い出で、教室や校庭とか屋上とか、そのときの風景を思い出して。

 (三沢) どんな卒業だったの?

 (あい) すごく悲しかった。本当はみんなと一緒の高校に行く予定だったんだけど、私だけ上京したから。
      卒業式の日にお別れ会をしてくれて、1人1人メッセージをくれたんですよ。
      「私も絶対に歌手になって、また帰ってくるから」って約束して。

 (三沢) 高校卒業したらどうするの?歌手一筋でやっていくの?

 (あい) 私、いろいろと知識をつけるために勉強したいですね。
     文学とか、世界のこととか、政経。。。

 (三沢) 政治経済って意外(笑)。音大とかいうのかと思った〜!

 (あい) もっと社会のことを理解しといたほうがいいかなって思って。
      大学に行ったら、きっと今まで知らなかった世界があるだろうし、同世代のいろいろな子たちがいて、
      出会いも楽しそうだなと。

 (三沢) シンガーソングライターとしての次の目標はある?

 (あい) 尾崎豊さんみたいに、世代を超えて愛されるような曲を書いてゆきたいです。
      そして、いつも思うのは、路上という最初の1歩を踏み出すことによって今の自分があると思っているし、この2年間の
      経験でたくさんのことを学べたので、最初の1歩を踏み出す勇気を、歌でたくさんの人に伝えたいですね。
      勇気を分けてあげたり、励ましたりしてあげられたらいいな。


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