「annex pichi(アネピチ)Autumn 2003月号」
★川嶋あい物語!
annex pichi(アネピチ)Autumn2003号に、川嶋あい物語という漫画が掲載されています。
内容は、上京してから渋谷公会堂までのストーリーが9ページにわたって描かれています。
私は、川嶋あい、17歳。
小さい頃、人見知りで泣いてばかりいた。
3歳のとき、母が音楽教室に入れてくれた。
歌うのが大好きになった。
気がついたら、絶対に歌手になるんだと心に決めてた。
15歳のとき、高校進学と共に福岡から上京した。
2002年2月。
歌手になるために上京した〜それなのに。。。。
この1年、何もできずにすごしてしまった。
このままでは、福岡で私を応援してくれた人たちに合わせる顔がない。。。
どうしていいかわからず、どうしようもない焦燥感がこみ上げてきた。
ある日、渋谷の街を歩いていたら、路上でギターを弾いて歌っている男の人がいた。
楽しそうに歌っていた。
あ、そっか。歌いたかったら、こういう路上で歌うという歌い方もあるんだ。
そして、私は、ラジカセとマイクで路上に立った。
すごく緊張したけど、ここで始めなきゃ何も始まらないと思い、震える手と震える声で歌った。
拍手もない、歓声もない、聞こえるのは街のざわめきだけ。。。
でも、私は歌った。
そして、路上でまた歌いたいと思った。
目標を決め、ノートに書き綴った。
路上ライブ1,000回、渋谷公会堂でライブをやる!
そして、目標に向かって、ひとり路上ライブを続けた。
渋谷で歌っていたら、ある日、大学生の男の人たちに声をかけられた。
これがnaoさん、そして、naoさんの友人のヤスさんとの出会いだった。
何か力になれることがあったら、手伝うよ、と言われ、そして、それから、数名の大学生の人が力を貸してくれた。
路上ライブをキーボード弾き語り形式にしよう。
CDを作ろう。
最初はいろいろと試行錯誤もあったけど、だんだんと着実に聴いてくれるお客さんが増えていった。
うれしいな、気持ちって伝わっていくんだね。
そして、そのうち、レコード会社や新聞社、テレビ局やプロダクションからの名詞が100枚くらいたまってきた。
そして、ライブも順調にこなしてきたある日、「あいのり」の主題歌に私の曲を使いたいという依頼が飛び込んできた。
スタッフはみんなすごく喜んでいた。
しかし、私は、複雑だった。
今、ここでメジャーデビューしてしまうと、私の目標の路上ライブ1,000回がなかなかできなくなる。
どうしても、この目標を達成したい私は、この話を断ろうと思っていた。
スタッフの人とも何度も話しあい、そして、レコード会社の人と直接会ってお話した。
レコード会社の方は、
「いい音楽を、より多くの人に届けたいと思っている。ただそれだけなんですよ」
と言ってくれた。
この気持ちは、スタッフのみんなも私も同じだった。
自分のためにも、手伝ってくれるみんなのためにも、私はこの話を受けようと思った。
ただ、メジャーデビューは、川嶋あいという名前ではなく、naoさんとユニットを組んで「I WiSH」という名前で出すことになった。
顔は出さない形でのリリースで、デビュー曲は「明日への扉」になった。
顔を出さないデビューだったので、路上ライブも続けることができた。
街角で、「今度のあいのりの主題歌ってよくない?」という声をちらほら聞くと、ふっとうれしくなる自分がいた。
I WiSHのデビューの日も渋谷で路上ライブを続けた。
そして、どんどん路上ライブをやり続けた。
ついに、8月20日がきた。
渋谷公会堂のライブの日だ。
私はついにここで、「川嶋あいは、I WiSHのaiです」と告白し、「明日への扉」の原曲である「旅立ちの日に」を歌った。
会場はざわめいた。
やっと告白できた。
すっと肩の荷が下りたような気がした。
しかし、渋谷公会堂でのライブは、目標ではあったけれど、おしまいではなく、これからがスタート、はじまりだと思っている。
路上で見つけた自分の勇気、力を貸してくれた人たち、私の歌を聴いてくれるたくさんの人たち、そして大好きな歌、
どれも大切な宝物、ずっとずっと大切にしたいな。
==完==
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